呪怨(1999年・日本・ビデオ版・監督 清水崇)レンタルして鑑賞

呪怨 劇場版 デラックス版 (初回限定版) [DVD]
公式HP http://www.cine-tre.com/ju-on/

呪怨

  強い怨念を抱いたまま死んだモノの呪い。

  それは死んだモノが生前に接していた場所に蓄積され

  「業」になる。

  その呪いに触れたモノは命を失い

  新たな呪いが生まれる。


 6話からなるオムニバス形式のストーリー。各話は同じ設定(世界観)で繋がっていて全部を見ると全体像が見える…という感じ。

 「俊雄」
 小学校の教師、小林俊介は臨月の妻、真奈美と2人暮らし。担任しているクラスにいる佐伯俊雄。最近、学校にきていない。家庭訪問は彼をのぞいて終了していた。俊雄の母(旧姓、川又伽椰子)は俊介の大学の同級生だった。
翌日、俊雄の家を訪問した俊介。閑静な住宅街の一角にあるどこにでもある家。だが、門は開け放たれていて荒れ果てている。声をかけても何の反応もない。庭にまわろうとすると風呂場の窓から手を出して放心している俊雄がいた。玄関をあけると鍵が開いている。体に痣や傷をつくり放心状態の俊雄を
リビングのソファーに座らせる俊介。家の中には誰もいる気配がない、途方にくれる俊介。

「由紀」
 由紀はいとこの柑菜の家に家庭教師をするために来ていた。飲み物とおやつを置いて柑菜の母親は外出してしまい、柑菜はうさぎの飼育当番があるため学校へ行ってしまった。屋根裏から聞こえる不気な音、嫌な予感がした由紀は部屋を出るがふいにあらわれた黒猫に驚き押し入れに逃げ込む…が!?。悲鳴をあげるが隣の部屋にいた柑菜の兄、強志は何も気づかず学校へ行くために出ていってしまう。

 「瑞穂」
 瑞穂は強志と学校で待ち合わせをしたいたが強志の自転車と鞄だけが校門に残されていた。近くに落ちていた携帯を拾うが強志のモノではない。うろうろしていると教師に校舎には誰も残っていないと言われた。教師は見回りに行き、ひとり職員室に残された瑞穂。携帯が鳴る、表示された番号は「44444444444」。

 「柑菜」
 死因不明のバラバラ死体。なぜかウサギの死骸もまざっているその上、同じ場所でなぜか人間の顎だけが発見された。当惑する刑事の吉川と神尾。事件当日、学校には飼育当番の女の子が2人来ていた。柑菜の母親が帰宅すると瑞穂から電話がかかってきた。飼育当番の途中で柑菜がいなくなったと言う、電話中に誰かが帰ってきたが……。

 「伽椰子」
 話しは一番最初の「俊雄」に戻る。両親がいないから遅くなると電話をする小林。2階から誰かと話をしている俊雄の声が聞こえる、しかしドアを開けると誰もいない。中は俊雄の描いたネコの絵が散乱している。物音が聞こえ廊下に出る小林、誰もいない。隣の部屋のドアが開き、中に入ると机の引き出しからノートが見えた。手にとりパラパラとページをめくる。それは伽椰子の日記帳だった。その内容に不気味さを感じた小林は俊雄を抱きかかえて家から脱出しようとする。玄関で小林の携帯に伽椰子の旦那、剛雄から電話がかかってきた。血まみれの電話BOX…伽椰子と俊雄をよろしく…先生の赤ちゃん…生まれたよ…これ…女の子ですね。がくん、と力が抜けその場に座り込む小林。階段の上から何かが這いずり降りてくる音がする。

 「小林くん‥‥」

 その頃、剛雄は地面を這うゴミ袋に追い詰められていた。

 「響子」
 響子の兄の達也は離婚をして息子の信行と2人暮し。不動産屋を営んでいる達也は格安だがいわくつきの物件を手に入れる。霊感の強い響子にその物件を見てもらいたいと言う。その家では住んでいた母親と娘が殺され、息子も行方不明。ただひとり父親は生き残ったが精神をわずらい病院に入っている。響子は自分の手には終えないと言い、清酒を口に含むがすぐに吐き出す。兄の達也に絶対にこれだけは守ってと「もし買いたい人が現れたら清酒を飲ませて。もし不味そうに吐き出したら絶対に売らないで」忠告する。数日後、兄の達也から電話があり例の家が売れたこと、最近信行の様子がおかしいことを聞く。いわくつきの家が気になり様子を見に行く響子。その家の新しい住人…北田洋と良美は?。窓辺にたつ良美はうつろな目で外を見る…。

東映Vシネマですがあまりの恐さに口コミで話題になり映画化された『呪怨』のビデオです。映画版『呪怨』の元になった話し…ですね。2003年1月に映画版は封切り。

 これは夜中にひとりで見るのをオススメします。でも、昼間の閑静な住宅街が舞台なので昼間見ても恐いかも(^^;。病院とか山奥のお屋敷とか雪に閉ざされたペンションとか因縁のからむ村とか…特別な場所ではなくてどこにでもあるような『家』が舞台なのでより恐怖は身近に感じる…かも。ホラー好きの私としては思ったほど恐いな、とは思いませんでしたがレンタル屋のおにーさんは恐い!っと言ってましたね。なんていうか…音と映像でばばぁ〜〜んっと脅かす系ではなくてじわじわ‥‥不気味なんだけど正体が見えない……そんな恐さ。

 天井から音が聞こえる…なんだろう?押し入れから天井をのぞくと…

 うっぎゃ〜〜!?

 携帯を拾う、誰のか分からない、鳴る>>出る………ネコの鳴き声?

 職員室の机の下にもぐる、子供が走りまわっている?
 机の上の携帯が鳴る、手探りで探す、何かが手をつかむ!?

 うっぎょえーー!!

 階段をのぼる…ぎしぎし……声をかける…振り返ると…!?

 あらら……<??

 日記を見ている…押し入れから物音、のぞく>>はぅ!?

 不幸をつげる携帯……

 血まみれの電話BOX……何かを手にもっている男……『あぁ…これ女の子だぁ…』
 
 どこを見て言ってるのよ〜ん…えっち〜(w。<<いやいや……。

 
 これを見ている時にトイレに起きた母親の階段を降りる音が一番恐かったかも……。ちょうどいいタイミングでぎしっぎしって……。 

 このビデオ版は安っぽい、B級という感じはぬぐえないけどかえってそれが恐怖度をUPさせています。夏休みにテレビで特集するような『あなたの知らない世界』的なチープでそれでいてリアル…。実話テイストがたまりません。脈絡のない断片的なエピソードが最後に因果でつながっていくという話しの構成がうまいです。

 『学校の階段G』に収録されている『片隅』は柑菜ちゃんが『44444444444』は強志くんが出てきます。両方とも 監督清水崇が演出を担当した3分間くらいの短編です。

 角川ホラー文庫からノベライズが出てます『呪怨』 大石圭 600円(税別)映画版やビデオでは説明されていない部分が書かれているらしいです。