華氏911 FAHRENHEIT 9/11(2004・米)

公式HP http://www.kashi911.com/

アメリカ、9月11日の悲劇。アメリカ大統領ジョージ・W・ブッシュは、911以前から囁かれていたテロの可能性を軽視し、対策を見過ごしてきた。ブッシュ大統領は、父ブッシュの代からサウジの富豪ラディン一族と石油ビジネスを中心に密接に関わっていたし、サウジとの間には、兆単位の石油マネーが動くからだ。一族の厄介者、オサマが引き起こしたとんでもないテロを、ブッシュ大統領はいつの間にかイラクに結びつけ、アメリカを攻撃したこともないイラクへの空爆を開始した。「自由」の名と、ゴルフクラブを振りかざして…。突撃取材スタイルで恐れを知らないドキュメンタリー作りをするマイケル・ムーア監督が、巨大国アメリカのブッシュ政権に、そして、アメリカ国民に問いかける。「果たして、僕たちが追い求める自由はどこにあるのか?」と。

なんて表現していいか分からない、とにかく衝撃を受けた。
マイケル・ムーアは馬鹿げた戦争を始めたブッシュを政権からひきずりおろしたくてこの映画を作ったので視点が偏っているのはしょうがない。そして、すべてをそのまま鵜呑みにしてはいけない、こういう意見もあるんだ程度で。
あぁ、なんかうまくまとまらないなぁ・・・映画を見て思ったのはブッシュはお金儲けのためにありとあらゆるコネ(なんといってもパパは元大統領!)を利用して・・・もっともっとお金を儲けるためには戦争を起こせばいい、それを出来るのはやっぱり大統領な訳で・・・うーん、ブッシュはお金儲けをしたいためだけにお金のためだけに戦争を始めたんだって事。アメリカの上院議員や一部の金持ちをもーっと太らせるためだけに、そのためだけにいったいどれだけの血を流せば気が済むんだろう!と鑑賞中は怒りがこみ上げてきた。
戦場に行くのは生活苦のため兵士になるしか道のない若者たち、彼らの「俺たちはなんのためにここにいるんだ?」というセリフは胸にずしんとくる。
自分たちの私腹を肥やすために自分たちの国の若者を犠牲にするなんて!上院議員たちにあなたの子供を戦場に送るための署名にサインをしてくださいと直接訴えるマイケル・ムーアの姿に感動、激しく感動。自分の子供を戦場に送りたい親なんているわけがない!。息子の戦死を嘆き悲しむ母親の映像はどんな言葉よりも説得力があった。
自分の考えをヒステリックに叫ばずにユーモアたっぷりまぜて映画という武器で世界最強の大国の権力に戦いを挑む姿勢はすごい。
マイケル・ムーアは物凄くアメリカって国を愛しているんだと思う。労働階級を、特に貧しい暮らしをせざる終えない人々を、だから一部の金持ちのためにその人たちだけが犠牲を強いられている事にがまんが出来なくて、なんとかしたくてこういう映画を作っているんだろうな。
大切なのは考える事なんだ、そしてなんとかしようと行動する事。
現実とリンクして作られているので映画としてのちゃんとした結末は描かれていない、ハッピーエンドになるか、バッドエンドになるかは11月の大統領選挙の結果次第!
ボーリング・フォー・コロンバインほど娯楽性は高くないし、上映時間が長いし、文字情報がべらぼうに多いので字幕版だと映像と両方見るので目が疲れるし、情報を整理するのに頭はフル回転させなきゃいけないし、国際情勢を知ってないとついてけない箇所もあるし・・・気楽に映画でも〜って感じで見れる映画ではありませんが、これは今、リアルタイムで見ないと意味がない。
見終わった後、色んな事を考えさせられる映画。