ホテル・ルワンダ(2004・南アフリカ・英・イタリア)

公式HP http://www.hotelrwanda.jp/

1994年、ルワンダの首都キガリ。多数派のフツ族と少数派のツチ族が長年争ってきたルワンダでは、3年間続いた内戦がようやく終息し、フツ族ツチ族の間に和平協定が結ばれようとしていた。しかし、その一方でフツ族民兵グループが闊歩する状況。ベルギー系・高級ホテルの支配人として働くポールは、自分はフツ族だが妻タチアナはツチ族なので、家族の安否が心配だった。そんな中、フツ族大統領が何者かに暗殺され、犯人はツチ族だというニュースがラジオから流れる。ラジオの報道を鵜呑みにしたフツ族の人々は、あちこちでツチ族の人々を襲撃しはじめる。ポールの元には、彼の妻がツチ族であることから彼に助けを求めるツチ族の人々が集まってくる。ポールは彼らをホテルに匿い、ホテルの親会社のフランス人社長に連絡したり、政府軍の重要人物に“見返り”を渡してホテルを警護してもらったりと、ありとあらゆる手段で彼らを救おうとする。

今から12年前にアフリカのルワンダで民族間の対立が大虐殺に発展し、100日間で100万人もの人々が惨殺される中、ルワンダの高級ホテルに務めていた一人の男がホテルに1200人もの人々をかくまってその命を守り抜いた。
『ホテル・ルワンダ』日本公開を応援する会のインターネットによる署名活動によって日本での公開が実現した映画。実在のエピソードがもとになっているので非常に重い内容でしたが見て良かった、感動しました
なぜフツとツチが対立していたのか?なぜ虐殺にまで発展してしまったのか?など複雑な歴史背景の知識がなくても冒頭で説明されるシーンがあるし、絶望的な状況の中で家族を守ろうと奮闘する一人の男のサヴァイバル映画として十分に面白いので内容が難しくて理解できない事はありませんでした。
パンフレットに載っていた本人のコメントが素晴らしい「私は自分の仕事をやっただけです」。自分に課せられた仕事をこなす男ってかっこいい(≧∇≦)b 。

銃も剣も使わずにホテルマンとして培ってきた話術と交渉術とコネだけで政府軍、過激派の民兵たち、国連軍を相手にピンチを切り抜けていく様子はスリリング。その場しのぎで綱渡りの連続なので見ている方はハラハラしっぱなし!。国連の平和維持軍、外国人が撤退していくシーンの降りしきる雨はルワンダの涙だ・・・と見ている私も号泣しました ・゚・(つД`)・゚・世界に見捨てられた瞬間・・・絶望しかないのに最後までホテルにいる全員を守ろうとしているポールにもうもう感動。立ち去る人達の何も出来ない歯がゆさでゆがんだ顔もまた涙を誘う・・・。
グロテスクなシーンはないのですが、死体が道いっぱいに転がっているシーンは衝撃でした Σ(゚Д゚)。いつ自分もあの中に混ざるとも分からない日々を送る・・・考えたくないくらい怖い。

見終わった後になぜこの悲劇が起きたのか考えずにはいられませんでした。情報を鵜呑みにして煽られるのは恐ろしいと思いました・・・自分で情報を収集する事、情報を理解する事、自分の頭で考える事が大切。

ホアキン・フェニックス演じるカメラマンのセリフ
「世界の人々はあの映像をみて“怖いね”と言うだけでディナーを続ける。」

無関心は最大の罪・・・かと言って自分がすぐに何か出来る訳じゃないけど、考えないよりはマシだし出来る事は何かあるハズ・・・たぶん。


ルワンダの大虐殺について↓
http://c-cross.cside2.com/html/bp0ri001.htm

ジェノサイドの丘〈上〉―ルワンダ虐殺の隠された真実

ジェノサイドの丘〈上〉―ルワンダ虐殺の隠された真実

ジェノサイドの丘〈下〉―ルワンダ虐殺の隠された真実

ジェノサイドの丘〈下〉―ルワンダ虐殺の隠された真実