それでもボクはやってない(2007・日本)

公式HP http://www.soreboku.jp/index.html

大事な就職の面接を控えた日の朝、大勢の通勤客に混じって満員電車から駅のホームへ吐き出されたところを痴漢に間違われ現行犯逮捕されてしまった金子徹平。連行された警察署で容疑を否認すると、そのまま拘留される。その後も一貫して無実を主張するものの、結局は起訴される事に。徹平の無実を信じる母や友人・達雄の依頼でベテランの荒川、新米の須藤の二人の弁護士が徹平の弁護を引き受け、いよいよ裁判が始まる…。

ニッポンの司法制度を疑え!!
裁判がテーマな社会派映画
難解な法律用語が飛び交うけど
分かりやすく解説してくれるし
娯楽要素もあって
見ごたえのある傑作(≧∇≦)


主人公・徹平の言い分が通らないコトにいらいら!
ちゃんと調べようとしない警察にいらいら!!
高圧的な検察にいらいら!!!

えらいのは国家権力であっておまえら個人じゃないつーの!

実際にやったかどうかは関係なく
“やった”と認めた方がさっさと釈放されリスクも少ない
“やってない”と主張すればするほど
反省の色なしと見られて状況が悪化する現実


ドラマの見すぎかもしれないけど
弁護士=正義の味方(弱者を守ってくれる)
警察・検察=悪の手先(弱者をいじめる)
裁判官=神(真実を見抜いて正しい判断を下してくれる)
って、先入観があるから

裁判官は本当のコトを真実を分かってくれる
徹平と徹平の母と徹平の友と同じ気持ちでいた
無実の人間を罰するコトは絶対にない!
と、思い込んでた

・・・だけど裁判官は神様じゃない
人が人を裁く以上“絶対”はない
ブラック・ジャックも言ってたな・・・
人間である以上“絶対”はないって・・・




↓ネタバレ↓

徹平の無実を証明できるかもしれない白い服の女性が法廷で「ドアにはさまれた服をひっぱてただけで痴漢じゃないと思います」と証言してくれたけど、無罪の決定打にはならず・・・結局、有罪判決を受けてしまう。
徹平の友達が「こんな判決聞きたくねぇ!!」と怒鳴って出て行くのは見てる人の気持ちを代弁している、聞いた瞬間「なんで!?」と憤りを感じたし。
「裁判は真実を明らかにする場所ではない。裁判は被告人が有罪であるか、無罪であるかを集められた証拠で取り敢えず判断する場所に過ぎないのだ」という徹平のセリフが重い・・・。最後の「控訴します!」のセリフに力強さを感じるので決してもやっと感が残る終わり方ではなかった。
冷静になると・・・本当に徹平は“やってない”のか?と疑問が( ̄ω ̄;)
最初の方だから記憶が曖昧なんだけど徹平が痴漢行為をしているシーンもしていないシーンもなかった。
真実は当の本人にしか分からない。無実を訴えてるのか?嘘をついているのか?それは本人にしか分からない。そう考えると警察、検察が容疑者を疑ってかかるのは無理ないのかもしれないし、裁判官が被告人にだまされないぞ!っと疑心暗鬼になるのも無理ないかもしれない。
無罪判決は犯人を捕まえた警察の苦労を無にして、起訴をした検察の判断を否定すること、つまり警察と検察を敵にまわすこと。こういう図式が出来上がっちゃてる日本の司法制度がおかしいんだ!!。裁判所は警察と検察を労う場所じゃないぞ!。“とりあえず”判決を下すのではなく真実を明らかにして正しい裁きを下す場所であってほしい。刑事裁判の鉄則「無実の人を罰してはいけない」を守る裁判官が飛ばされるってのは納得できない・・・。

無実の証明って難しい・・・やってないから証拠がないのに
ない証拠をどうやって出せばいいんだろう・・・?



二時間半の長さをまったく感じない映画でした


これは裁判員制度が始まる前に見ておかなくちゃ(*^ー゚)b