ゆれる(2006・日本)

ゆれる公式HP

写真家の猛は、母の一周忌で帰郷した。父と折り合いの悪い彼だが、温和な兄・稔とは良好な関係を保っている。翌日、猛は稔、そして幼馴染の智恵子と渓谷へと向かった。智恵子が見せる「一緒に東京へ行きたい」という態度をはぐらかして、一人で自然へカメラを向ける猛。そんな彼がふと吊橋を見上げた時、橋の上にもめている様子の稔と智恵子がいた。そして次の瞬間、そこには谷底へ落ちた智恵子に混乱する稔の姿だけがあった…。

アンコール上映にて鑑賞
劇場公開は去年(2006年の7月)

重厚な人間ドラマが見ごたえあると話題になっていて気になってた映画



始めから終わりまで目が離せなかった・・・
雰囲気で語るというか
俳優さんたちはしぐさで語るというか


霧がかかったような独特の雰囲気でした


一番印象に残ってるのは父と兄と弟と男3人で食事をしているシーン
ただ、ゴハンをもくもくと食べているだけなのに怖かった
味気のないまずそうな食事風景は、それだけでむなしくで寂しくて不気味
ここに限らず映画の中で出てくる食事はどれもまずそうだった(´・ω・`)
たいてい、邦画の食事風景って美味しそうに見えるのにな〜
ゴハンを大事にしないやつなんて大嫌いだ(byテルー)


一番肝心なシーンをはじめ直接的な描写がなく
セリフが少なめなんで映像から感じ取らないと
何が起こってるのか分からない映画



そのものズバリ!!が映っているよりも
想像力が働いちゃって怖さ倍増(((( ;゚д゚)))アワワワワ
↓ちょっとネタバレ↓

智恵子がつり橋から落ちて死体が見つかるシーンは不気味で怖かった・・・
白い靴がひとつだけ、すー・・・・・っと流れているだけなのに
それだけなのに怖かった(;つД`)
恐怖心をあおるわざとらしいBGMとかないのに
想像力が必要以上に働いて怖いことばっか思い浮かんだ((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブル

ヤサシイおにいちゃんとヤンチャなおとうと

兄・稔役の香川照之さんがキンモーってレベル以上に気持ち悪かった
女性特有の理由なんてないけど、なんかいやっていう
生理的嫌悪感の塊のような好青年・・・
「どこがいやなのよって言われても困るけど、いやなの!ダメなの!こっちにこないで!!」
と叫びたくなるほど嫌汁がにじみでる演技は素晴らしい
素晴らしいけど・・・笑顔が怖いよー(((( ;゚д゚)))アワワワワ


対照的に弟・猛役のオダギリ・ジョーはステキーってレベル以上にセクシーだった!!
女性特有の目線で感じるエロさをビシバシ☆醸し出していた(ノ´∀`*)


ものうげな目線がエッチクサイ
おしゃれ無精ひげがエッチクサイ
腰のあたりがエッチクサイ

クサイにおいは元からたたないとダメだな(*^ー゚)b
って、くらいにエッチくさかった・・・w

他のどの映画やドラマよりもセクシーなオダギリ・ジョーがここにいるヽ(´ー`)ノ


↓ネタバレ含む自分なりの解釈↓

弟の猛の視線で見ていたので最初、稔を裏では何を考えてるのか分からない不気味な存在としか見えませんでした。歪んでしまった兄弟の絆、何もかも奪われてしまったせいで変わってしまったヤサシイ兄・・・

歪んでしまったのは猛だったのでは?その視線のせいで稔を気持ち悪いとしか見えなかったのではないか?と思いました。
裁判で猛が証人席で本当の兄を取り戻すために真実を話すといい、稔は智恵子を突き落としたと証言したけれど・・・それは歪んだ視線で見たからそう思い込んでしまったのではないか?
肝心なシーンは写されなかったので確証はないんですが( ̄ω ̄;)
隠していたことをやっと言うことが出来てすっきりしたのか稔に対する疑惑がなくなったせいか、猛の証言を聞いて警察官に連れて行かれる稔は不気味な顔ではなくておにいちゃんの顔になっていた(気がする)
クライマックス、事故のあった渓谷に子供の頃に家族で遊びに行った映像を猛が見て涙するシーン。その中には弟に手を差し伸べる優しい兄の姿があった。
高いところが怖いのに猛とロープにしがみついて渡る稔の姿がなんとも・・・せつない(;つД`)
あぁ・・・あの時、ホントに怖かったんだ・・・


稔はずっと優しい兄のままで歪んでしまったのは猛の方だったのでは?
優しくで出来のいい兄に対して劣等感を持っていた猛は、稔が出来ないことをして持っていないものを見せびらかすことで優越感を持ちたかったのでは?
どこかで兄はいい人のフリをしてて本当は巧妙な嘘をつくズル賢い人間だと思いたかったのでは?
そして、悪態をつく兄を見て疑惑を真実だと思い込んでしまったのでは?
もしかして猛は何もかもを奪ってしまったのは
自分だと分かっていて罪悪感を持っていたけど
それを認めたくなくて兄を悪者にしたかったのでは?
と、自分なりに勝手に解釈しました


色んなことをがまんして歪んでしまった部分って稔にもあったと思うし
完全に白だとは思えないんですけどね(;´▽`A``
でも、少なくとも智恵子を助けようとしたって言葉は真実だと思う
稔の腕についてた引掻いたような傷跡はそれで説明出来るから



最後に稔を取り戻すために刑務所に洋介と一緒に向かうシーンは涙が・゚・(ノД`;)・゚・

バスに乗ったのかどうかは分からないけど
おにいちゃんの顔で笑ってた稔にさらに泣かされた・゚・(ノД`;)・゚・


嘘と真実の間をゆれる
気持ち悪さと心地よさにゆれる
心理描写のうまさに見ている方の心がゆれる
世界で一番ゆらゆらさせて(謎


ピーンと張り詰めた雰囲気の中で
刑事役のピエール瀧が出てきた時はなんかほっとしたw


(。-ω-。)----------キリトリ線----------(。-ω-。) (。-ω-。)----------

CINEMANIAX!さん
智恵子に対する鋭い指摘とコメント欄が読み応えありました・・・
こういう見方もあるんだ!と再発見(≧∇≦)
DVD買ってもう一度じっくり見たいかも・・・